2024年6月からダイレクトボックス3モデル,マイクロホンアンプ3モデル,そしてヘッドホンアンプ2モデル,合計8モデルの販売を開始致します.
4000シリーズはこれまで販売してきた1000シリーズと同等の性能と品質を維持したま ま安価に提供できることを目的に設計したものです.ケースは1.5mmのアルミニウム板(A5052)を板金加工した部品を用い,1000シリーズより高さが9mm低く設計しました.突起物を除くケースの大きさは160(W)×62(H)×230(D),総重量は1.5kg程度です.
構造 (図1構造の概要を参照ください.)
ベース(1.5mmのアルミニウム板)に内蔵物を全て取り付け,上側部をカバー(1.5mmのアルミニウム板)が覆う構造です.ベースと取り付けた電源回路部は4000シリーズ共通です.Tプレートに電子管と回路を搭載し,ベースに固定しています.(水平面内サイズは1000シリーズと共通なので,どちらのシリーズにも使用できます.)ベースとカバーは4000シリーズ(現在のところ8モデル)共通です.Fプレートはそれぞれの機種専用になっています.
電源トランス
電源トランスには漏洩磁束の少ないRコアトランスを用いました.Rコアトランスの容量は25VAです.1次側と2次側の間に静電シールドを入れました.(1000シリーズと共通です.)
整流・平滑回路部
A電源(ヒータ側)は整流器にショットキーバリアーダイオードを用いました.そして,3端子レギュレータ(LDO)で電圧を安定化しています.5.7Vの直流を0.9 A程度供給することができます.
B電源(プレート側)は整流器に汎用のブリッジダイオードを用いました.トランジスタのリップルフィルタを用いています.110Vの直流を9 mA程度供給することができます.
信号回路部
小信号用の双3極管(例えば6922)が3本までを動作させることができます.Fプレートに信号の入力出力と電源を除く操作スイッチ等を配置しています.真空管ソケットとラグ板で配線が最短になるように組み立てられます.
真空管
主にロシア製のものを使用しました.ロシア製は比較的個体差が少ないのですが,用途に応じた選別と回路の調整をします.
それぞれのモデルの概要について
DI 4010 ユニティゲインのダイレクトボックス
高い増幅率と相互コンダクタンス持つ双3極管を使用.スタジオコンデンサマイクロホンに使われるバッファ回路を適用.大型パーマロイコア出力トランスを使用.高い入力インピーダンスを持つWHITEのカソードフォロワーにパーマロイコアの大型出力トランスを組み合わせて高いダイナミックレンジを実現した真空管ダイレクトボックスです.バランス出力はフローティングバランスです.アンバランス出力は10Hz~5MHzと広帯域です.
DI 4020 ゲインBOOST回路を持つダイレクトボックス
高い増幅率と相互コンダクタンス持つ双3極管を使用.パーマロイコアを用いた2コイルトランスで昇圧 ( +17dB ) .定電流ダイオードを負荷にしたバッファ回路.大型パーマロイコアの出力トランスを使用.高い入力インピーダンスを持つカソードフォロワーにパーマロイコアの大型出力トランスを組み合わせて高いダイナミックレンジを実現した真空管ダイレクトボックスです.昇圧は専用設計の昇圧トランスを使用しています.バランス出力はフローティングバランスです.BOOST時でも10~100kHz (-3dB) と広帯域です.
DI 4030 2 IN, 2 OUT デュアルダイレクトボックス
2 IN, 2 OUT の独立したデュアルダイレクトボックス.高い増幅率と相互コンダクタンス持つ双3極管を使用.定電流ダイオードを負荷にしたバッファ回路.専用設計された出力トランスを使用.高い入力インピーダンスを持つカソードフォロワーにパーマロイコアの専用設計された出力トランスを組み合わせて高いダイナミックレンジを実現した真空管デュアルダイレクトボックスです.バランス出力はフローティングバランスです.10Hz~100kHzと広帯域です.
MA 4010 48Vトランスファントム電源+2CHバッファアンプ
48Vトランスファントム電源をマイクロホンに供給する2CHバッファアンプ.入力に高品質トランスを用い,高入力インピーダンスを持つ独立した2チャンネルの真空管バッファアンプ.3極管レギュレータを用いたファントム電源.入力トランスを用いたトランスファントム電源にすることで高い入力インピーダンスを実現しました.このことにより,マイクロホン回路の負荷を軽くすることができます.入力トランスにはLUNDAHL製(LL1532)を用い,定電流ダイオードを負荷としたカソードフォロワーを介して専用設計されたパーマロイコアの出力トランスからフローティングバランスで出力されます.
MA 4020 パッシブリボンマイクロホンとダイナミックマイクロホン専用2CHアンプ
増幅率を30dBと60dBに切替られるリボンマイクロホンとダイナミックマイクロホン用2CHアンプ.入力に高品質トランスを用い,カスコードアンプを用いた2チャンネルの真空管マイクロホンアンプ.パーマロイコアを用いた専用設計出力トランスを使用.入力トランスを用いてフローティングバランスとした入力と増幅率が切替ることができるカスコードアンプを用いたダイナミックマイクロホンとリボンマイクロホン専用のマイクロホンアンプです.定電流ダイオードを負荷としたカソードフォロワーを介して専用設計された出力トランスからフローティングバランスで出力されます.増幅度を切替ても音声信号の極性は反転しません.マイクロホン側にファント電源は供給されません.
MA 4030 1つのマイクロホン入力を2つの出力に分離するバッファアンプ
1つの入力を2つの出力に分離するバッファアンプ.THRUにファントム電源(MA 4010等)を接続するとマイクロホン側にファントム電源を供給することができます.入力は高品質トランスを用い,高入力インピーダンスを持つ独立した2チャンネルの真空管バッファアンプ.(入力インピーダンスは,THRUに接続した機器のインピーダンスに依存します.)入力トランスを用いることによって,フローティングバランスの高い入力インピーダンスを実現しました.このことにより,マイクロホン回路の負荷を軽くすることができます.入力トランスには大型パーマロイコア2コイルトランスを用い,定電流ダイオードを負荷としたカソードフォロワーを介して専用設計された出力トランスからフローティングバランスで出力されます.
HA 4010 低インピーダンスヘッドホン専用ヘッドホンアンプ
高い相互コンダクタンスを持つ3極管とパーマロイコアの専用設計出力トランスを用いたヘッドホンアンプ.負帰還を用いて出力インピーダンスを低く抑えた低インピーダンスヘッドホン専用のヘッドホンアンプ.専用設計した出力トランスと負帰還を用いて出力インピーダンスを低く抑え,低インピーダンスヘッドホン専用に設計製作したヘッドホンアンプです.ヘッドホンはインピーダンスが概ね100Ω以下のものを接続すると良いと思います.φ6.3フォンジャックとRCAジャックどちらかの入力を用いることができます
HA 4020 高インピーダンスヘッドホン専用ヘッドホンアンプ
出力段に3極管とトランジスタを組み合わせたバッファ回路を用いたヘッドホンアンプ.出力トランスを持たないOTL(OUTPUT TRANSFORMER LESS)回路を採用.高い出力レベルを出力できる高インピーダンスヘッドホン専用のヘッドホンアンプ.3極管とトランジスタを組み合わせたOTLバッファ回路と無帰還アンプを組み合わせ,高い出力レベルを高インピーダンスヘッドホンに供給することができます.600Ωヘッドホンに5%の高調波歪率で10Vrmsを超える電圧を供給することができます.ヘッドホンはインピーダンスが概ね100Ω以上のものを接続すると良いと思います.φ6.3フォンジャックとRCAジャックどちらかの入力を用いることができます.
出荷可能台数について
信号用トランスには在庫にある良好な性能のものを適用しました.しかし,材料の入手等の問題から,同一のトランスを入手することが困難になってきました.このため,現在在庫しているトランスの数量に出荷できる台数が制限を受けてしまいます.
出荷可能台数は
DI 4010 12台
DI 4020 12台
DI 4030 14台
MA 4010 12台
MA 4020 7台
MA 4030 11台
HA 4010 制限無し
HA 4020 制限なし となります.
信号用トランスを新規設計することにより,出荷台数に制限は無くなります.新しいトランスを用いる時には機種名を新規にする等の表示をする予定です.
特注品について
上記の範囲で御希望の仕様が実現可能な時にはお受けいたします.フロントパネル,リアパネルの印刷が変わる場合にはこれに関わる費用が別途必要になります.詳しくはEメールでお問い合わせ下さい.

図1 構造の概要(MA 4020)
